新年あけましておめでとうございます 本年も宜しくお願い致します
今年は『巳』歳です。十二支の中で唯一足の無い動物です。
近年境内で見かける事が無くなりましたが、幼少の頃は、夏の時期になると毎日の様に、青大将やマムシが参道を横断していたのを見ました。気候の変化でしょうか、いなくなると少し淋しくなります。新婚旅行で東南アジアに行きましたが、家内が長さ二メートルもある太いニシキヘビを首に巻き記念写真を撮っていました。その時家内が恐ろしい人に思えました。ところで、《長いものには巻かれろ》と謂う諺がありますが、似たような意味合いで、《流れに身を任せる》という言葉もあります。どちらも逆らわない方が得策という意味が含まれています。
私は得度して今年六十年になります。僧侶としての還暦を迎えます。お陰様で子女も当山の後継者として得度し、日々僧侶として研鑽を積んでおります。昨今法事は基より、葬儀や塔婆の浄書と進んで法儀に向かい合っておりますが、これから数多く法務外の學ぶべき事が有ります。その初めの一つとして来年に控えた十二年に一度の午年稲毛三十三観音の御開帳もこれからの当山護持の為経験を積まねば為らない門でもあります。
私は子弟育成の礎を含み、諸般の状況等を鑑み、本宗の宗制に則り【長老】職に今春就任致したく考えております。その節には改めてお通知させていただきますので、予めご内諾賜ります様謹んでお願い申し上げます。
檀徒の皆様にはくれぐれも、寒さ厳しき季節、お身体ご自愛の上お過ごし下さいます様お願い申し上げます。
本年が御尊家皆様にとって、諸仏諸尊のご加護に浴され、最良の一年であります様衷心より重ねてご祈念申し上げます。 合掌
(住職)
十方有縁卒塔婆供養のお勧め
風の便りに永年お世話になった方の訃報を知り、お花やお線香を手向けたいにも、遠方の方や、住所も分からず、或いは諸事情がありその気持ちを捧げることが叶わずという時、卒塔婆を手向けられては如何でしょうか。
当山境内墓域に御覧の様な卒塔婆建てを建立いたしました。
現在は自然災害などで、尊い命を奪われた方や交通事故物故者、地元の久末大谷戸災害物故者等のご冥福の為建立しております。ご自身でお書きになりお上げしても構いません。
寺務所でお声掛け下さい。一基三千円のご志納金をお納め下さい。法要塔婆等の金額と違としております。ご了承下さい。
先日樹木葬の普及についてニュース番組や新聞社から取材を受けましたが、そのニュースにも取り上げられていたように最近では子どもが親を想う気持ちよりも親が子どもを想う気持ちの方が勝るのか、将来子ども達に迷惑を掛けたくないと永代供養を選ばれる方が増えてきています。後日またもや違う番組では海洋葬について取り上げられていました。
その一方で2025年問題にもあるように高齢化社会によって一人になってしまった高齢者の方同士が寂しくない様に一緒にお墓に入ろうと約束をする墓友も増えているらしく、現代の社会状況からすると致し方ない変化かもしれませんが、自分の死後を自分で選択できる自由さを得たとしても、ご先祖様の存在や感謝の気持ちはいつまでも忘れずに持ち続けて欲しいと願います。
(盛花)
義民地藏
当山には宝篋印塔という仏塔があります。久末には昔、重い年貢で苦しむ村人を救おうと領主に直接年貢を減らすよう訴えに行った村人19名が命を落とすという事件がありました。
その後年貢は引き下げられましたが、その犠牲者を供養する為、残された村人は義民地藏を建てたと言われています。
それについて描かれた紙芝居が残っているとお檀家様から寄付して頂きました。今年は333回忌に当たります。本堂にはその紙芝居が掲示してあります。本堂にお参りの際には是非ご覧になって頂きたいです。
人生100年時代
古くから『人生一生勉強』という言葉がありますが、同じ言葉でも今は昔と少し意味合いが変わってきているのかもしれません。ベストセラーになったリンダ・グラットンの『LIFE SHIFT~100年時代の人生戦略』にあるように今までは20代まで教育を受け、60歳まで働き、60歳以降は退職するといった3ステージから、今では20代まで学んだあと、80歳くらいまでは、様々な経験をしたり、知識やスキルを新たに学んだりしながら複数のキャリアを持ち、100年時代を生きていくマルチステージの生き方になってきているそうです。偶然にも私も主人も僧侶の前は他の職業でしたが、新新たに学ぶという事は新鮮で意欲も掻き立たてられる気がします 私はまだまだ今のステージが始まったばかりですが、今の自分とは違う自分に変化し続ける『人生一生勉強』を大切に2025年を過ごしたいと思います。
(盛花)
住職年末投句
今はなき氷柱懐かし薄着かな
*寒い寒いとはいえ氷柱を今は見かける事がなくなり、薄着姿の方が増えている感じがします。 住職