1. /
  2. はすのはな
  3. /
  4. はすのはな第58号 -令和7年春季号-

はすのはな第58号 -令和7年春季号-

ご挨拶

桜の開花が待ち遠しい頃となりました。お檀徒の皆様にはご健勝にてお過ごしの事とお慶び申し上げます。平素は温かなご支援をお寄せ頂き心よりお礼申し上げます。

さて、先日部屋の片付けをしていると、先代師僧が書いた雑記帳が眼に留まりました。読んでみると、先代夫妻、つまり両親の事ですが、『私達がこの蓮花寺に初めて来たのは昭和二十二年十月十五日であった。』という出足の文でした。正しくその月日は先代住職本人の三十五年後の祥月命日の日でした。人生には摩訶不思議な事があるものだと先代夫婦を改めて偲びました。

さて、蓮花寺現住職飯田盛重は、昭和五十七年に遷化致しました師僧盛文和上の後を継ぎ現在に至っておりますが、この度、当山の役員皆様のご承認を得、本月三月末日を以って長女鞍盛花法尼に法脈を引き継いで貰う事に致しました。四十三年間に亘りお檀徒皆様には、身に余る温かいお力添えを賜り、厚く厚く感謝申し上げる次第でございます。

振り返りますとお檀家様と共に仏道と云うよりは、ひたすら蓮花寺の興隆に独り歩きしてしまった様にも思えます。その様な住職でございましたが、長きに亘ってお務め頂いた歴代檀徒総代世話人の皆様はじめ、現役員の皆様には、広く寛大なお気持ちで様々な理想にご理解とご支援を賜り今日まで支えて下さいました事に衷心より感謝申し上げる次第でございます。又お檀徒の皆様お一人お一人に優しいお声がけ頂きました事に対し、伏して感謝申し上げる次第でございます。本当に有難うございました。

第四十二世盛重より四十三世盛花法尼へと四月二日引き継ぎを致しますが、お檀徒皆様には今後とも従前と変わらぬご支援を新住職に賜りますよう、心よりお願い申し上げる次第でございます。尚現住職は、『長老』チョウロウという名で微力ではございますが、蓮花寺の為精進致していく所存でございますので、引き続きお力添え下さいます様お願い申し上げます。

住職

宜しくお願い致します

私、鞍盛花は昭和五十八年四月二十二日、この蓮花寺に生を受けました。地域の方に開かれたお寺にしたいとの想いと共に懸命に務めてきた両親の姿を幼い頃から見て育ちました。

結婚を機に僧侶として蓮花寺に勤める決意をし、結婚二週間後に剃髪をしました。京都にある本山智積院にて修行をし、二年後僧侶資格を取得しました。その後、父である住職の下で研鑽を積んでいます。そんな私を見て、「将来一人では大変だと思うから」と伴侶である主人が同じ道を歩み、横浜成田山での勤めを終え、今は夫婦で住職の下、法務に携わっています。

そんな未熟な私ですが、この度、第四十二世盛重和上の跡を引継ぎ、四月より住職として蓮花寺に奉職させて頂く事になりました。

普段から檀信徒の皆様には温かいお声掛けを常に頂き、我が子の様に可愛がって頂いてきました。その分頼りなく不安に思われてしまうかもしれませんが、以前父が「どんなに長く勤めても、その立場になって経験することで初めて身につく」と口にしていたことがあり、私自身自分で務まるのか不安は有りますが、その言葉を信じて、檀信徒の皆様に支えられながら、また長老の下懸命に学び、住職として恥じないよう成長して参りたいと思っております。

まだまだ身に余る大役を引き継ぐには全ての事が勉強不足ですが、精進して参りますので、どうぞ皆様今後とも変わらぬご指導、ご鞭撻をお願い申し上げます。

盛花

毘沙門天護摩・節分会

昨年が閏年だった為、今年の節分は二月二日でしたが、当山の大護摩会と節分会は例年通り二月三日に行われました。
豆撒き式には多くの方が来て下さり、撒かれた福を手にしたいと大賑わいでした。

今後も四月八日の花祭り、六月十五日の降誕会と、どなた様でもご参加頂ける行事が続きますので、どうぞ皆様ご家族、お友達とご一緒にご来山頂けたら幸いです。

洒水加持

仏教では様々な加持の種類が有りますが、そのうちの一つに「洒水加持」というものが有ります。そもそも加持とは仏様が私達に働きかけて下さる「加」と私達衆生が仏様から受け入れる「持」を僧侶が施す作法によって結び付けられる修法の事です。

また法要の前にも必ず洒水加持を行いますがそれは様々な物を清める力があると言われています。真言宗では梅や白蘭等の枝で出来た散杖という魔法の杖の様なものを振るのですが、その姿を目にしたことはあるでしょうか、それが洒水加持です。

堂場は勿論の事、煩悩、日々の生活で穢れた心と身体を仏様のお力を借りて清める意味合いもあります。ご法事の際などその作法を目にいたしましたら、心安らかにご自身の御心を清めるお気持ちでいて下さいましたらより一層洒水加持が意義深いものになると思います。

案ずるより産むが易し?

二月九日(日)第二子、女の子を出産致しました。後半は双子かと言われるほどお腹は大きくなり動く事も大変でした。陣痛は痛くて痛くて世の中のお母さん達を心底尊敬しました。産後も身体はすぐに動かず、全く「案ずるより産むが易し」という諺通りでは有りませんでしたが、赤ちゃんの顔を見ると痛みを忘れ、動物の持つ本能を身を以って感じました。

妊娠中から「楽しみにしているからね」「頑張ってね」「身体を大切にね」と温かいお言葉を沢山掛けて頂いて、檀信徒の皆様の優しさに何度も励まされました。お陰様で今もすくすく元気に育っています。名前は茉奈(まな)です。どうぞ宜しくお願いします。

盛花

住職名最後の俳句

晋山の法燈灯し桜待つ