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はすのはな第56号 -令和6年秋季号-

氏姓制度

毎年記録を更新する猛暑もいつの間にか治まり、九月の暦とともに、秋の気配がしてまいりました。檀信徒の皆様如何お過ごしでしょうか。

昨今気になる報道の一つとして、氏姓制度があります。調べてみますと、古くは千三百年以上も前の大和朝廷の時代に遡るようですがその後幾多の変遷を経て現在の氏姓制度が確立しています。

以前より【選択的夫婦別姓制度】の見直し案の審議が重ねて行われています。婚姻後の夫や妻の氏姓の自由化を問う日本の氏姓制度の大きな転換起点となる法整備と思います。

昭和五十七年に蓮花寺住職の拝命を頂戴し爾来四十三年間檀信徒の方々のお名前を記憶していますが、世代交代等によるご名義人の変更も毎年数多く有る中で、姓名共に交代された場合、パソコンに記憶させることは簡単ですが、私の脳裏に叩き込む事は、難しくなってきてます。

この【選択的夫婦別姓制度】も近い将来成立し新たな法整備が出来る事と思いますが、昨今人の名前が直ぐに思い出せない私には、ご夫婦お二人の姓の記憶は、不可能かも知れません。近い将来その様な事で失礼の際にはどうぞお許しを。

住職

お開帳準備開始

当山の聖観音様も札所に入っております準西国稲毛三十三ヵ所観音霊場は1764年山田平七翁によって開かれたそうです。彼は痰咳を患い長期間苦しむも、観音様のお名前をお唱えしたところ、僅か1年足らずで病が治った事から西国観音霊場にお礼参りをし、それらの霊場を近くの寺院でも巡礼出来る様にと稲毛の地に札所を定めたのが始まりだそうです。

札所は現在の高津区・宮前区・多摩区・中原区・麻生区・都筑区・矢野口に存在し、宗派も真言宗のみならず、天台宗・曹洞宗・臨済宗・浄土宗・日蓮宗と様々で、6月、その33カ寺が2年後の午年のお開帳の為に集まり、総会が開かれました。

 他の宗派の方とお会いする機会は少ないので緊張もしましたが、皆で意見を出し合い、開催期間や、御朱印の奉納金、御手綱の発注方法等詳細を決め、2年後に向けて準備が始まりました。

12年に1回の貴重な年なので是非一人でも多くの方にお参りして頂きたいと願うと同時に、檀信徒の皆様のお力添えを頂きながら、当山の聖観音様が喜んでお顔を見せて下さるように丁寧に準備を進めていかなければいけないと思いました。

盛花

老化現象

お尻が椅子に吸い付き、立ち上がれない程の怠さに時々襲われる事が有ります。コロナ後遺症という言葉を聞く度にこの怠さはもしかして、本当にコロナ後遺症なのかなと思い、専門外来に意を決し先日尋ねました。

先ずは血液検査をしてからその結果で考えましょうとなり、その再診で訪ねると、先生は「多分、老化でしょう」と少し笑みを交え云われました。

一言加えて申し上げれば、「七十過ぎて生かされている事は儲けもので幸運だと思って元気を出して下さい」という診察結果を拝聴しました。このフレーズは、どこか自身が稀に使う言葉の様で心中苦笑し変な安堵感を覚えながら帰宅いたしました。

人生百年時代、七十過ぎの肉体へ、特効薬は気合という鞭でしょうか。

住職

各行事の報告

4月8日の花まつりは途中桜雨でしたが、多くの方がお参りして下さいました。野点、和菓子販売、苺販売、子どもゲーム、フリーマーケット、移動キッチンカー等も参加して盛り上がりを見せました。

6月の降誕会では本堂での法楽、修行大師を参拝した後、クラッシックコンサートに加え初めての試みで猿回しの方をお招きしました。練習所が宮前区にあるそうで、お猿さんにとっても今までで一番近いお仕事だったと言っていました。可愛く賢いお猿さん達に、子どもから大人まで大盛り上がりでした。

その後新盆法要、また大施餓鬼会を厳修致しました。大施餓鬼会は開始時刻を夕方に変更してもまだまだ暑い中多くの方がご先祖様を偲び、ご供養にご参列下さいました。お彼岸が終わると年末…1年の早さを改めて感じます。

盛花

成田山新勝寺

先日息子を連れて成田山新勝寺に参拝してきました。羽田空港が国際線を取り入れる様になってからはなかなか行く機会が無かったので何年ぶりになるのでしょうか。京都智積院での修業時代に同期だった学友が勤めている事もあり、案内してもらいました。護摩をお願いし、ご導師の近くで御祈祷を受けました。まだまだ勉強中の私はついご導師の作法、職衆のお唱えの仕方、承仕(準備等お経以外の事をする僧侶)の動き、法話の内容や話し方に目が行ってしまいました。見るもの全てが刺激で勉強になりました。大きい寺院はそれぞれ僧侶等の雰囲気の様なものが各寺院によって違うなとも感じました。

お参りしてみて参拝者から見た僧侶の在り方等これからも色々な寺院にお参りをした際には学んでいきたいと思いました。帰りは甘味処で美味しいあんみつを頂き帰宅しました。

盛花

住職苦心の一句

秋陰や蜘蛛の糸なる総裁選

ブルーインパルス

6月29日、川崎市市制100周年を記念してブルーインパルスが飛行するという事で法務を終え、武蔵小杉の等々力緑地へ向かいました。

同じ考えの人ばかりで道路は渋滞、歩道には路上駐車をして車から降り、上を見上げる人々の姿。現地までたどり着けないと嘆いていると、上空にブルーインパルスが見えました。「見えなかった」という息子を差し置いて大興奮の私は車内から叫び、ブルーインパルスを目で追いかけました。

その後何度も上空を旋回したのか見ることができ大満足で帰ってくると、久末の山の上でも綺麗に見えたと多くの方が集まっていたようで、灯台下暗しでした。多くの方が一斉に上空を見上げている姿からは川崎市民の川崎愛の様なものを感じました。川崎市は他にも色々な記念行事をしているようですが10月の花火大会も楽しみにしています。

盛花